TRPG需要は増えるのか?/読書:君主論

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■今日の見出し
・今日の読みかけ:君主論
・TRPG需要は増えるのか?

(前説)
 歯磨き粉「ジェルコートF」(詳細情報/ソニープラザ)を新品に変えました。2年近くもったのかな? お世話になっている歯医者さんに置かれていたもので、パッケージにも「歯科用」とある頼りになるヤツです。

■今日の読みかけ
「君主論」著:ニッコロ・マキャヴェリ/訳:河島英昭/刊:岩波書店・岩波文庫/面白度:★★★★☆(詳細情報/楽天ブックス利用
 今日は第9章~第13章です。
 (豪商を中心とする)市民に立脚する政体、聖職者の政体という話から、軍事制度に関する話への移行部分です。
 傭兵軍、援軍、自軍という戦力のなかで、君主が頼りにしてよいのは自軍(自前の軍隊)だけ、そんな話です。

 傭兵軍は金目当てで集まった連中なので、敵軍と命をかけて戦ってくれるわけはない。敵に勝ったとしても、傭兵と傭兵隊長の絆が強くなり君主の座が危うくなるでしょう。
 つまり、傭兵軍は頼りにならないという結論です。

 援軍はといえば、傭兵軍よりも訓練がされており、命をかけて戦うことにも馴れており、戦力としては頼りになります。ですが、援軍というのは援軍の主の意向に縛られるものであり……、敵軍がいなくなった後、援軍の主が君主の座を危うくすることでしょう。
 つまり、援軍は目前の危機を脱するのには適しますが、次の敵を招き入れるようなものだというわけです。

 「君主論」(詳細情報/楽天ブックス利用)は、日本の戦国時代のようにたくさんの勢力に分かれていたイタリアで書かれた作品です。
 陸続きにフランス、ドイツという強大な勢力があり、その勢力が進出を狙っていたということもあり、日本の戦国時代以上に油断ならない時代だったことでしょう。

 その歴史背景を考えないと、傭兵軍、援軍、自軍についての話は理解しきることは難しいかもしれません。
 性善説に生きる人にとって見れば、助けの手を差し伸べてくれる援軍を疑うことなどひどい話に見えることでしょう。

■TRPG需要は増えるのか?

(この節は、「TRPGなど知らない」「そんなものはどうでもいい」という方にとってみればどうでもいい話題です。
 限りある人生です。ほかの記事をお読みください。ページ上部の「ランダム」あたりをクリックすれば、ほかの日記を覗くことが可能です)

 TRPGという娯楽の一形態がございます。
 コンピュータゲームの一形態の、RPG(ロール・プレイング・ゲーム)の親戚です。
 仮に、電報が電話に派生/進化するまえの形だとすれば、TRPGはコンピュータゲームのRPGに派生/進化する前の形となります。
 まぁ、TRPGの実際については一昔前の記事になりますが、「TRPGって何?」TRPG蛇行道!所収)をご参照ください。(今年あたり、この解説記事もリニューアルしたいとは考えておりますが)

 さて、現在では電報と電話は別物として、別の需要に対応しております。

 ですが、TRPG愛好者の間では別物だということをときどき忘れてしまうようなんです。
「コンピュータゲームのRPGがすっかり一ゲーム文化と化したのだから、TRPGももっと売れるはず!」
 とか
「コンピュータゲームのRPGのもとになったTRPGは優れているのだ!」
 などと思ってしまいがちなのです。
 私も心の奥底ではそんなことを思っているんじゃないか、と思う日もあります。

 でも別物なんですよね。

 コンピュータゲームのRPG(CRPG/コンシューマRPGと略されることがありますので、本記事でもそう表記させていただきます)は、プレイヤー1人で30分~4時間/1回あたり TV画面の前にじっと座り込んで遊びます。
 1回で終わることは少なく、数十回かけて遊ばれますね。
 ゲームの紹介記事を見て、量販店でゲームソフトとゲーム機を買ってくれば、かんたんに遊ぶことができます(部屋の状況によってはTVやディスレプレイモニタが必要なこともありますが)。

 TRPGは、2人~8人くらいが集まり、2~10時間/1回あたり テーブルの周りに座り込んで遊びます(テーブルを軸にしているのでテーブルトークRPGですね)。
 1回で終わることもあれば、十数回かけて遊ぶこともできます。
 ゲームのルールブックを買い、どうにかこうにか遊ぶ仲間を見つけ出し、皆が集まれる時間調整を行い、会場を確保することでやっと遊ぶことができます。

 遊ぶまでの過程を見るだけでも別物であることは明らかでしょう。

 そんな違いを無視して、CRPGでは自由にできない冒険物語をTRPGならば紡ぎ出すことができるんだよ~、と誘うのは無茶なわけです。

 TRPG需要を増やすためには更なるアプローチを考えなければならないわけでして……(続きます)

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このページは、tamasunaが2005年1月14日 23:23に書いたブログ記事です。

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