通読:戦争論(上)

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■今日の見出し
・最近の通読:戦争論(上)

(今日の一言)
 外国の専門家が日本でのテロの危険性を指摘したそうです。
 駅などへのゴミのポイ捨てをやめて、不審物を置きにくい状態を目指そう、そんなふうに思うのです。

■最近の通読
「戦争論(上)」
著:カルル・フォン・クラウゼヴィッツ/訳:篠田英雄/刊:岩波文庫・岩波書店/資料度:★★★☆☆/1968年2月(詳細情報 in 楽天ブックス利用

○どんな本?
 ナポレオン時代に生きたドイツの軍人の遺した戦争哲学集大成。

○気になるフレーズ
(232頁)
〈要するに成果だけに基づいて下す判断――と言うよりも、むしろ成果の良否による判断を正しいとか正しくないとか言うのは、けっきょく我々の期待通りであるか否かを意味するにすぎないのである。〉

 「がんばったな!」よりも「よくやった!」という結果評価をしがちであるということですね。

(236頁)
〈つまり専門語は、往々にして中身のない殻だけのことがある、そうなると著者自身も、その語によって何を考えているのかがもうわからなくなり、やたらに曖昧な概念を使って得々としている始末である。それにまたこういう概念を使い慣れると、彼はもはや素直な話方では満足できなくなるのである。〉

 専門的な言葉を使うことの弊害はいつの世でも尽きません。
 専門的な言葉は、話し手も聞き手も、なんだかわかったような気になりかねない魔力を秘めていると、別の書で読んだ記憶もします。

(286頁)
〈国民の堅強な性格と戦争で慣熟することとが、不断の交互作用によって互いに保ち合うときにのみ、国民は国際政治の世界において強固な地位を保つことができるのである。〉

 国の対外的な姿勢は、国民の支持という一時的なものだけでなく、国民の持つ性格・風土に起因するところが大きい。そんなイメージを受けました。

○そして、こう思う
 訳者による「あとがき」で本書の読みにくさが指摘されています。
 一文一文が長いうえに、文脈ごとに単語に与えられた意味合いも変化していく……そのあたりが文章の前後を把握しにくくしているのではないかと思います。
 何度途中で寝てしまったことか……。

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コメント(2)

TITLE: クラウゼヴィッツ戦争論ですかー
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マキャベリ君主論とかと同様、世界史でも古典としてよく引き出されますが、

流石に戦争に関してはケースも変化しすぎてて、かったるい感じでしょうか?

TITLE: あと、中巻・下巻が……
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WGMさん

>マキャベリ君主論とかと同様、世界史でも古典としてよく引き出されますが、

>流石に戦争に関してはケースも変化しすぎてて、かったるい感じでしょうか?

- - - - -

 哲学の雰囲気が強く、現代語と比べて、言いまわしが読みにくくなっています。明治維新より前の本ですので、仕方ないかと。

 内容的には戦略レベルの考え方が主なので、今でも活かすことができる点が多いかと思います。

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このページは、tamasunaが2005年8月26日 23:54に書いたブログ記事です。

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