温度差の歴史観

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■今日の見出し
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・温度差の歴史観

(今日の枕)
 「陋巷に在り」7巻目(詳細情報/楽天ブックス利用)を読みつつ。
 儒教の要人である顔回子淵、孔子(孔丘仲尼)を用いた中華ファンタジー。
 さて、日本人の中国歴史ファンタジーを読みながら、ニュースを耳にすれば中国人民の対日デモというではありませんか。

■温度差の歴史観
 さて今回の騒ぎで注目されているのが、温度差です。
 両国国民の騒ぎ方という温度差もあれば、中国が争点にあげている歴史観についての温度差もあります。

 独断と偏見でこの騒ぎを言い切れば、次のように思うわけです。
 歴史観についての、日中・日韓の温度差は、近現代史が公教育であまり扱われず自発的に学ばなければならない国(日本)と公教育で被害者根性を叩き込んでしまっている国の違いと感じられます。

 第二次大戦後の周辺国との関係を考えるときに必ずあげられる例にドイツがありますね。
 日本とドイツの周辺国との接触の違いは、対外関係の歴史の違いによるものです。ドイツは周辺国と領土の変動があったが、日中韓の間ではほぼ経験していないため、ドイツと周辺国と比べれば戦後処理のやり方に不慣れなのです。
 このあたりが仕方がないといえれば簡単なのですが、これだけ騒ぎになっているのを見るとそう簡単にはいかないものです。

 なお、歴史認識の違いを考えるの資料として数冊あげておきます。
 これらを眺めることで、どの国でも自国が正義として歴史はつづられていることが把握できます。さすがにナチスのような政治戦略的に意味を見出しがたい蛮行については正義として書いていませんけれど。

・「新しい世界史 世界で子供たちに歴史はどう語られているか」(著:マルク・フェロー/訳:大野一道/刊:藤原書店/2001年5月/楽天ブックス頁
 各国の世界史教育が比較されています。
 南アフリカ、ブラック・アメリカ、トリニダート、インド、中東、ヨーロッパ、ソ連、アルメニア、ポーランド、中国、日本、合衆国、豪州とメキシコ。

・「南からの世界史 北に覆われた南の浮き沈み」(著:佐々木寛/刊:講談社出版サービスセンター/2000年9月/楽天ブックス頁
 いわゆる第三世界からの視点での歴史を見ることができます。
 自立を目指すアフリカ、東南アジア、オセアニアの変貌、インディオとラテン。

・「韓国の教科書の中の日本と日本人」(編訳:筒井真樹子/刊:一光社/1989年4月/楽天ブックス頁
・「外国の教科書の中の日本と日本人 日本の高校生がシンガポールの中学教科書を翻訳して再発見した日本近代史」(編訳:石渡延男・益尾恵三/刊:一光社/1989年4月/楽天ブックス頁
 両書ともに、実際に使用されている教科書から日本に強く関係の深いところを訳出して紹介しています。

 あと、「3月10日通読:ボロボロになった覇権国家」で触れている「ボロボロになった覇権国家 次を狙う列強の野望と日本の選択」(著:北野幸伯/刊:風雲舎/詳細情報/楽天ブックス利用)も周辺国との関係を考える上でお勧めと感じます。

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このページは、tamasunaが2005年4月14日 00:00に書いたブログ記事です。

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