■札について
現幻では小倉百人一首カルタを用います。
カルタには読み札と取り札があり、100首収められているので各百枚ずつの計200枚で構成されています。
ゲーム中は後述のように札を扱います。
○手札
プレイ開始時に各プレイヤーは3枚の読み札を手札として持ちます。最大所持数は習得している《歌学》の種類数と同じです。
α版では、GMに初期手札はありません。
α2版以降では、歌会(セッション)コントロールの調整法として、選択ルールに採用予定です。
○山札
プレイヤーの手札以外の読み札を山札として積んでおきます。
行為判定時にめくったり、手札の補充に用います。
○歌枕札
シナリオのキー札を取り除いた、取り札を一山にします。各場面ごとに3枚めくり文字側を表にし、その場面の雰囲気を象徴する句にします。この札を歌枕札とします。
シナリオのキー札は、GMが任意のシーン始めに歌枕札として、場面に呈示することができます。
判定時に場の歌枕札と同じ歌の札を使った場合、札使用者のその判定の成功度は2倍になります。場の歌枕札と同じ歌の札が複数あり、複数使用した場合は、効果は累乗になります。
判定終了後、同じ歌だった歌枕札はそのプレイヤーの持ち札となります。
○歌人区分
現幻では、各札を歌人で整理します。
読み札の絵柄と、名前から下の区分を読みとってください。
α2版以降には、各区分ごとのリストも添付します。
・官(階級・役付......朝臣は敬称、皇族、院、天皇、親王):30枚(+2枚:※持統天皇1、式子内親王1)
・男:34枚
・女:21枚
・僧:15枚
※:持統天皇、式子内親王は、官と女として扱います。どちらの属性かは判定時に判定者が選択します。
○特殊歌人札
六歌仙、百人一首編者の藤原定家など、特殊な背景を持つ歌人の札は、特殊歌人札として特殊な効果があることがあります。
α2版以降で実装予定です。
○プレイ開始時
GMは各プレイヤーに3枚ずつ読み札を配り、手札とします。
シナリオのキー札を取り札から抜いて、歌枕札の山をつくります。
■行為判定
その行為に関係する能力値、文化値、特技、難易度をGMが指定します。
特技については、プレイヤーが使用するものを提案することもできます。GMがそれを認めれば判定に使用することができます(その際、判定に修正が加わることがあります)。
・判定値=能力値+文化値
判定値枚数を山札からめくり、指定された文化値と同じ属性(男、女、官僧)の札を数えます。
その際、特技の数値までの枚数を手札から選んで出すことができます。なお、手札は使用したかどうかにかかわらず判定終了後に1枚山札から回復させることができます(最大所持数は習得歌学系特技の種類数と同じ)。
・達成値=指定された文化値の枚数
・難易度(難しさ)
簡単:1
ふつう:2
難しい:3
達成値がGMの指定した難易度以上になっていれば成功です。大きく上回るごとに成功度合いも大きくなります。
■対決判定
蹴鞠、扇投げ、戦闘などのように、他者と争う場合には、この判定を用います。
1)判定参加者の確認、順番決定
まず、判定に参加するものを確認してください。判定によっては途中参加できるものもありますが、できないこともあります。途中参加の可否は、判定参加者の確認時にGMが宣言します。
次に、判定に参加するもののうちで判定の順番を決めてください。
判定の順番は、主に行為の順番に基づきます。はっきり決まらない場合は、数寄者が一番手となります。
2)判定値、特技、最低難易度の確認
GMが行為判定に必要な判定値、特技、最低難易度を宣言します。通常と同じく数寄者は特技のアピールを行うこともできますが、ほどほどに。
最低難易度は、この判定に必要な最低の難易度です。この判定では、判定参加者の意向により、難易度を上げることができます。その際の、最低限の難易度がこの最低難易度なのです。
3)判定
一番手は難易度(ただし最低難易度以上)を宣言してから判定します。判定してから難易度を変えてはいけません。
失敗した場合は、この判定から脱落します。
成功した場合は、二番手が判定します。
二番手は一番手以上の難易度を宣言してから判定します。
失敗した場合は、この対立判定から脱落です。
成功した場合は、それ以降の人が判定していきます。
直前の人が宣言した以上の難易度で判定します。判定の種類によっては、判定せずに抜けることもできます。
最後の人まで判定した場合は、脱落していない人で一番始めに判定した人から順に判定していきます。
誰か一人になるまで判定を行います。最後の一人が一番の勝者で、残っていた順に勝者の順位が決まります。一番最初に脱落した人が最下位になります。
○徒党を組んでの対決判定
徒党を組んでの対決判定の場合も判定の流れは同じです。
が、判定の種類(目的)によって、勝者の確認が変わってきます。
たとえば、下記の場合があります。
・最後に残った人の所属徒党が勝ちとなります。
・制限時間後に脱落していない仲間の多い徒党の勝ちとなります。
■歌詠み判定
歌を詠むケースには、大きく分けて下記の4つの場合があります。
・単独で詠む:一人で他の歌に関連させずに単独で詠む
・返歌を詠む:ほかの歌に返して詠む
・連歌を詠む:ほかの歌に付けて詠む。5句全体ではなく、1~3句だけ詠む場合が多い
・撰歌を詠む:歌合(セッション)の最後に物語の締め・まとめとしての歌を詠む
単独で詠む場合には、詠者一人の意向だけが内容・質に影響します。ですが、返歌・連歌の場合には前の句の内容をふまえる必要があります。
○判定の基本:単独で詠む
詠者は山札から5枚めくります。各歌から一句ずつ用いて一句をひねり出します。五七五七七の音数になるよう、五音の句、七音の句を選んで並べ直します。
歌合中に得た歌枕札(題材カード)があれば、そこから句を選ぶこともできます。
《歌学》〈知〉【任意の文化値】の判定に成功すれば、選んだ文化値と同じ属性の札を手札から句の題材として出すこともできます。
なお、この《歌学》判定後も、通常通り1枚の手札回復が発生します。
歌枕札以外は歌詠み判定後に捨て札となります。
・相談/助言
相談・助言の演技があった場合、相談・助言者が《歌学》〈知〉【任意の文化値】の判定に成功すれば同属性の札を句の題材として与えることができます。
この手札も歌詠み判定後に捨て札となります。
○返歌を詠む
詠者は山札から3枚めくります。GMは先の歌を構成する札を5枚並べておきます。
詠者はこれらの札から五句を選び出し、先の歌の内容・雰囲気を受けた一首をひねり出します。各歌から一句ずつしか選べません。
単独で詠む場合と同じく、歌枕札、手札を題材に加えることもできます。
○連歌を詠む
GMは何句詠む必要があるかを宣言します。
詠者、GMは返歌と同様に札を準備します。歌枕札、手札の使用も返歌と同様です。
詠者はこれらの札から必要な句数を選び出します。それを並び替え、先の歌と併せて31音(五七五七七か五七七五七)にします。
雰囲気は合っていた方がいいですが、内容は直接のつながりがなくてもかまいません。
○撰歌を詠む
歌合の最後に、その歌合のまとめとなる歌を各数寄者一句ずつ詠みます。歌枕札があれば、1枚以上詠み込まなければなりません。
撰歌では相談・助言はできません。
《歌学》判定なしで手札の使用は可能です。《歌学》判定に成功すれば、一句をPLが一からひねりだすか、和歌集を参照して同ジャンル(春・夏・恋など)から一句とってくることができます。
○歌の評価
GM2点、各PL1点ずつの評点で歌の評価を行います。
・GMの評価基準
物語の雰囲気に合っている(※):1点
全体的に和歌の雰囲気がある :1点
・PLの評価基準
気に入った! いい感じ! :1点
・その他の評価基準
効果的に歌枕札を詠み込んだ :1枚につき1点
※:返歌、連歌の場合は、今までのやりとりの雰囲気に合っているかどうか。
歌の内容(使用札の使用句)と評価は記録しておきます。歌合の終了後に敬慕点になります。
■歌語り判定
優れた歌人は、和歌を媒体にすることで、直接意志を通じ合わせることができない存在と意思疎通をすることができたといいます。
この意思疎通を、現幻では「歌語り」と呼びます。
数寄者は歌語りを試みることで、その場にいない人(※)と意思疎通を試みることができます。
......が、この際、返歌のやりとりというかたちで意思疎通を行うことになります。
※:NPC、PC関係ありません。距離や時代も関係ありません。うまくいけば、勅撰集で見ることのできる著名な歌人と意思疎通を行うことも可能です。
○判定方法
歌語り判定を試みるものを一番手として、《歌学》〈知〉判定を行います。文化値はどれでもかまいませんが、歌語りが終わるまで同じ文化値を使うことになります。
最低難易度は、意思疎通相手によって変わります。
・相手がPC:かんたん(1点)
・相手が知人:ふつう(2点)
・相手が同時代の面識ない人:難しい(3点)
・相手が過去の人:さらに難しい(4点)
・相手が未来(※)の人:もっと難しい(5点)
※:古今集より後の和歌集の人があたります。
判定に成功した場合、返歌の歌詠み判定を行い一首詠みます。一番手の場合は、単独で詠むルールに従います。
和歌の内容で会話しますので、丁寧に歌を組んでください。歌の内容を拡大解釈して、別のメッセージを盛り込むこともできますが、GMの許可次第です。