05歌合の流れ

tamasuna
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 現幻では、一回の物語(シナリオ)を遊ぶことを「歌合(うたあわせ)」と呼びます。ほかのTRPGでは「セッション」と呼ばれるものに相当します。
 歌合参加者をプレイヤーと呼び、プレイヤー全体を連衆(れんじゅう)と呼びます。シナリオを準備し、歌合の進行をつとめる人は宗匠(そうしょう)またはGM(ゲームマスター)と呼びます。
 歌合中に詠まれた歌を記録したり、歌を詠む際の助言、歌合の進行を補助する人は、執筆(しゅひつ)またはSM(サブマスター)と呼びます。執筆はいなくてもかまいませんが、いたほうが歌合の進行はスムーズになるでしょう。

■歌合の流れ
 次の3幕からなり、幕の下には無数の場面がもうけられます。場面数は、シナリオ作成時にある程度考えておくことができますが、歌合の際に柔軟に増減することになります。
 括弧内の歌詠み判定の回数は、各幕で数寄者が詠むべき目安の歌の数です。なお、この判定は歌語り判定でも代用できます。
  ・序幕(歌詠み判定各1回)
  ・破幕(歌詠み判定各1回)
  ・急幕(歌詠み判定各1回)

 序、破、急については、「序破急」という文章構成法を参照してください。

○序幕 ~静かになだらかに~
 数寄者がその日の物語の舞台となる地域(村~小さな町)に転がり込み、解決すべき問題、懇ろになるべき女性、豪族の存在を知るところを描きます。
 GMが今回の序幕用に選んでおいたシナリオのキー札を読み上げながら、場面を演出します。地域、問題、女性、豪族との出会いを描きながら、ロールプレイしていき、最後にその経験を題材に歌を詠み、序幕は終わります。

○破幕 ~動き回っておもしろく~
 数寄者が問題の原因となる存在と歌語りをしたり、女性・豪族の好みの話題を調べたりします。
 原因、話題が絞る過程で歌を1回程度詠んでもらうようにしましょう。

○急幕 ~急展開で一気に決着を~
 原因に対して歌語りで説得したり、女性・豪族と歌のやりとりを通して、今日の目的達成を目指します。

 目的の成否にかかわらず、急幕の最後に撰歌を詠んでもらいます。今日の歌合の感想・印象をまとめる感覚で詠みましょう。

■シナリオの作り方
 読み札を数枚選び出します。ランダムでも、GMの好きな歌をピックアップする方法でもかまいません。
 その歌のなかにある雰囲気、単語から想像をふくらませて、「物語の舞台」「遭遇する問題、出会う豪族、娘」「解決方法、説得話題」をひねり出します。

■サンプルシナリオソース
○序幕
 とある川縁の村。
 数寄者たちは都からの追っ手から身を隠すため、村外れの橋を渡り、東国へ向かおうとしていた。
 だが、村外れの橋をわたることを村人に止められる。
 村人がいうには、数ヶ月前から橋を渡っていると川から水が噴き出し、向こう側へ渡れないよう邪魔されるそうだ。
 追っ手との距離はわずか数日。追いつかれては、都に連れ戻されることになる。

○破幕
 数寄者が村にやってきて、川を見てからは川縁に人が立つだけでも波が立つようになる。注意力優れた者には、波の奥に男性のような人影を認める。
 村の長である豪族の元を訪れると、困り顔の豪族と面会できる。礼儀系の特技判定に成功すると、歓迎の宴が行われ、御簾越しだが北の方(正妻)や娘君と面識を得られる。そこで、水が噴き出しはじめた頃に、北の方をつれて東の村に挨拶に行ったことを知ることができる。帰路で、奥方も豪族も御簾をあげて、川の流れの美しさに見入っていた記憶があったので、思い出せたそうな。
 従者筋と仲良くなると、御館様(豪族)・北の方が東に出かけられた日は娘君が羽目を外して、わずかな女房をつれて川遊びをしたことを知ることもできる。

 困り切った数寄者は橋に踏み込み、水を噴き出させる存在と「歌語り」を試みる。
 その結果、数寄者は水を噴き出させていたのが、修行中の「川の主」であることを知る。主は、数十年前に村の女性と言いかわしていた。すっかりその女性のことを忘れていたが、数ヶ月前に女性を見かけた。これをきっかけに「言いかわし」を思い出した主は、女性を求めて水を噴き出させるようになったという。
 女性の名前は、豪族の娘君の名前と同じであり、それは北の方の幼名と同じでもあった(幼名についてはある程度親しくなっていないと聞き出せないかもしれない)。

○急幕
 川の主に事実を伝え、納得させることができれば川は平穏に戻る。
 娘君と主の仲を取り持てれば、何代にも渡り、村近くの川の漁獲量、川から取水した田圃の収穫量は増大する。

このブログ記事について

このページは、tamasuna2006年12月 4日 01:10に書いたブログ記事です。

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