現幻ではプレイヤーの受け持つキャラクターのことを「好き者/数寄者(すきしゃ)」と呼びます。歌心のある風流な方々、ということを意味します。
数寄者は物語のなかでどれだけ慕われるかを判断するために、いくつかの設定を持ちます。この設定は、単語、文章、数値、絵といった形態をとります。
具体的には、数寄者は次の設定を持ちます。
・能力値(体/知/色)
・文化値(男/女/官/僧)
・特技
・敬慕点
・絵:似姿
・所持物
・家柄、身分・役職、富裕度
■能力値
能力値は〈体〉〈知〉〈色〉の3種類があり、1以上の数値を持ち、先天的な基礎能力を表します。本書では〈知〉のように〈〉に挟んで表記します。
○〈体〉
体力、肉体的な力強さなどをあらわします。体を動かす行動の成否を判定する際の基準にすることが多いです。
○〈知〉
知識量、頭の回転の速さなどを表します。知能的、精神的な行動の成否を判定する際の基準にすることが多いです。
○〈色〉
カリスマ、人望などを表します。対人関係、技法に走らない素朴な歌をうまく詠む際に高いと有利そうです。
○初期値について
「5」を能力値3つにふりわけます。ただし、どの値も最低1を振り分けなければなりません。
■文化値
文化値は【男】【女】【官】【僧】の4種類があり、0以上の数値を持ち、後天的な基本能力を表します。本書では【官】のように【】に挟んで表記します。
○【男】
男性の荒々しさ、たくましさ、忍耐強さなどを表します。男性的立場の恋歌などを詠むときに重宝します。
○【女】
女性の奥ゆかしさ、器用さ、辛抱強さ、母性などを表します。女性的立場の恋歌などを詠むときに重宝します。
○【官】
大和文化、政治力学などに通じている度合いを表します。この値が高いほど、高官になる可能性が高まります。
○【僧】
中国に起因する漢学、経典、漢詩を読むときに重宝します。この値は悟るために必要です。仏教界で出世するためには、この値と【官】との双方が必要になるでしょう。
○初期値について
「7」を文化4つに振り分けます。ただし、数寄者作成時の1つの文化値に振り分けられる最大値は4とします。
■特技
数寄者の得意事項、苦手事項を表す設定です。特技名と0以外の整数値を持ちます。苦手事項を表す際には、負の整数値となります。
《歌学:恋》のように、《》で挟んで表記します。
大きく分けて、2種類の特技系統があります。
歌を詠むための歌学系特技と、そのほかの一般特技です。
○歌学系特技
歌の鑑賞と作成に関する知識、経験を表します。
歌の系統ごとに12種類の特技があります。春・夏・秋・冬・恋・賀・離別・羇旅・物の名・哀愁・雑体の12種類です。
別の系統の主題を歌に詠み込むことも可能ですが、出来栄え判定に負の修正が入ることがあります。
○一般特技
歌学以外の事柄に関する知識、経験を表します。
様々なものが考えられますが、対象範囲を狭めたもののほうが効果は大きくなります。
数寄者は基本的に都の貴族層ですので、戦闘技術は一般的ではありません。所持することはかまいませんが、戦闘は肉体労働の一部として考えられているため、戦闘技術の所持が明らかになると蔑まれることがあります。
α2版以降で、一般特技例を拡充していく予定です。
○初期値について
「5」を3種類以上の歌学系特技に振り分けます。数寄者作成時には1~3の値を振り分けられます。
「3」を一般特技3つまでに振り分けます。数寄者作成時には、一般特技も1~3の値となります。
■敬慕点
人々から慕われている度合いを示す値です。
支持層・支持者名と整数値で表されます。
支持層にもよりますが、この値が高くなると出世が有利になったり、求婚がしやすくなったり、後世の人に歌仙として崇められるようになります。
敬慕点を獲得し、後世の人(歌物語の読者)から慕われる度合い。
未来人の思いが、歌/歌物語を介して、歌人(PC)に注がれ、抒情はより増していく。
行為判定の際に敬慕点を消費することで成功度合いを変えることができる場合があります。
○初期値について
数寄者作成時には敬慕点を合計20点持っています。
出身家系、都の民(上流)、都の民(下流)、役職に応じた役所(詳細はGMと要相談)に振り分けてください。数寄者作成時には0~20の値をとります。
家系などは後述の「家柄、身分・役職、富裕度」に記載予定です。
■絵:似姿
数寄者の似姿や、外観設定をメモしておくスペースです。
絵心があるプレイヤーさんならば、絵を描いておくのも乙なものです。
■所持物
数寄者が所持している道具、品物です。
特技、家柄、富裕度により若干左右されます。
○初期値について
家柄、役職に応じた品物を持っています。
数寄者の個性を演出するための品を記しておきます(GMと要相談)。
所持物についても、α2版以降でデータを提供予定です。
■家柄、身分・役職、富裕度
数寄者の生まれ育ってきた家系・家柄、それにより得られた世襲的な身分・役職、物的豊かさを表します。
このα版では、それぞれ-2~10をとります。
α2版以降でデータを提供予定です。
○初期値について
家柄、身分・役職、富裕度の3つに「7」をふりわけてください。数寄者作成時には1~5の値をとります。