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3−3(ディストの物語)


 姫様をつれて、祭を楽しんだあとレジスタンス本部に戻る途中やばいことを耳にした。本部壊滅だそうである。故買屋の家に姫を預け、本部を見にいってみる。
 すると、そこではセリアの騎士や兵士どもが我が物顔で歩き回り、生き残りに拷問をくわえていた。トリス卿の首をあげたことで一杯ありつけそうだ、とかいう話もちらほらと耳に入る。本部跡にこれ以上近寄ることも危険そうなので、とりあえず一度戻ることにした。

 姫のもとに戻ると、
「ディスト、無事で何よりだった。レジスタンス壊滅のうえにそちまで失ってしもうては、どうしようもないからのぉ」
「はぁ」
「実際、以前偉かっただけで役に立たないトリス卿のような人物がいなくなることで、レジスタンスも動きやすくなると思うが、いかがかな、ディスト」

 数日後、ディストはどうにか新たなレジスタンス本部に合流することができた。
 レジスタンスさがしで、へとへとな夜、姫が「御苦労じゃったな」などといいつつ、ディストの頬に口付けをしたのは夢のようなことだった。


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