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柏崎ツアー

(実施日:2000年秋ころ)

 東京電力株式会社の営業所の企画による「電気のふるさとを見に行こう」ツアーに参加しました。目的地は新潟県のほぼ中央に位置する柏崎刈羽原子力発電所
 参加費\5,000で一泊4食付き(昼・夕・朝・昼)。
 この価格で太平洋側から日本海まで往復して食事まで付いてくるのですから、電力会社のPRへの執念が伝わってきます。

 朝8時に発ち、原子力発電所に着いたのは14時頃。ほぼ予定通り。
 現地到着1時間ほど前に、30分ほどかけ原子力PRビデオを2本視聴。
 1本目は、柏崎刈羽原子力発電所紹介がテーマで、造っている風景、点検風景、地域融和、原子力行政による交付金で地元に貢献してるぞ、といったことをプラスイメージ、グレイイメージの順で2,3分ごとにころころ話題を変えつつ映像化されていました。しかし、まぁ、う〜む。企業PRの映像の作り方を少し学ぶことができました。
 2本目は、中間貯蔵施設(リサイクル燃料備蓄センター)建造への理解を促すビデオ。1本目と違い、目立つ黄色のスーツを着た女性が進行役として出てくる映像作品でした。進行役に人当たりの良さそうな女性を起用しなければいけないほど、この建造が不評なんだな、と感じさせられます。使用済み核燃料を再処理工場で処理しようにも、処理できる量よりも大量の使用済み燃料が出るそうです。そういうわけで処理が追い付かない、だから備蓄センターを造らなくちゃ、という話を15分ほど説明してくれました。むろん、PRビデオなので、安全だの、環境に優しいだの、口当たりのいい言葉だらけです。

 原発に到着。まずは、施設の外にあるサービスホールというPR施設で原発の仕組みのお勉強です。図書館に行ったり、本屋に行けば簡単に勉強できそうなことを30分かけて巨大な模型を教材に学習します。10円玉を10枚くらい重ねたくらいの大きさに濃縮された核燃料1つで一般家庭1軒を8ヶ月くらいまかなうことのできる電力を作れる、という言葉を聞いて便利と感じるか、恐ろしいと感じるかは学習者の自由ですね。
 15時ちょっと前から16時過ぎまで7機ある原子炉の1つ、6号機を見学します。入り口のセキュリテーチェック部分を除けば、見学者通路はいくらでも撮影自由ということで、情報公開に努めている様子をうかがわせます。実際に使用中の炉心の上や、中央制御室を見学。疑えばきりはありませんが、これがPR用の炉心の上や制御室で、実際に使用している制御室などが別にあったとすれば恐ろしい話です。そんなことはないでしょうけれど。そんなに疑っていては、世の中のすべてを信じられなくなることだし。
 セキュリティチェックは、原子力関連の盗難や、テロ行為予防のために行われているそうです。日本海を挟んで他国と面する位置にある原子力発電所としてはいくら警戒が重大かはいうまでもありませんね。私としては、民間企業で守りきれるのかな、とか思ったりもするのでした。
 まず、金属探知器で身体検査を受けます。空港で飛行機に乗り込むときと同様のあれですね。つぎにIDカードを使ってゲートをくぐります(2カ所)。それで入場は完了です。そのあと、見学前に施設内に靴の裏のゴミなどを持ち込まないよう靴を履き替えます。また、施設内の放射能に汚染されたゴミを持ち出さないように、という目的もあります。
 出る際には、放射能測定を受けた後、IDカードを使うゲートを2カ所通過します。そこからスポーツ新聞を読んでいる警備員の控え室が見えます。施設内の写真も10枚以上撮影してきました。

 長岡駅東口のホテルに泊まりました。駅前の竜文堂というホビーショップが閉店大売り出しをしているのがバスの中から見えたので、行ってみました。久々に見るトレカ愛好者の群。トレカ購入者以外にとって彼らは邪魔ですね。私が狙っていたTRPG関連やボードゲームの売り出しは見られず、安売りされたガレージキットを買ってもかさばるだけなので、むなしく断念。
 ホテルの隣のダイエーで89円の発泡酒を買い、日本シリーズ日本優勝シーンをラジオで聴く夜でした。
 翌日は、ツアーを安くするために、ドライブインからリベートを得るためにいくつかおみやげ屋をまわります。いくらなんでも、湯沢で海鮮物を買う必要がどこにあるのでしょうか? そのあと、奥利根の水力発電のPR館を訪問。「でんこ」ちゃんグッズの並ぶ売店を期待して入場しますが、売店なんてありゃしません。
 17時半。帰宅。数日前の暑さから、一気に寒くなった気候のために、頭がくらくらするのでメールチェックもせず眠りに落ちたのでした。
 ……放射線酔い?


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