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2004年04月29日

くろねこ

 朝、出かけようと自転車で坂道を下っていったときのことです。
 気づけば、黒猫が右からやってきて併走しています。
 スピードと私自身の質量のおかげで路面上にある西瓜くらいならば、派手に潰してしまいそうな勢いで下っていたのですが……。
 まさか、まさか、飛びこんでこないでしょうね……?
 などと思っていると、前輪に飛びこんできます。

 この運動エネルギーならば、猫に痛手を与えることは可能です。とはいえ、自転車で猫を轢(ひ)いたのでは、自転車も無傷では済まないことでしょう。ただでさえ電柱や自転車との衝突を繰り返してきた満身創痍の自転車です。
 そんなことを考えること十数秒。
 猫のスピードにあわせて併走は続けます。下手に減速すれば、猫の体に乗り上げかねませんし、ハンドルを切れば猫がどんな動きに移るか分かりませんし。

 結局。
 併走をもう十秒程度続けた後、猫さんはあきらめてもとの方向に離れていってくれました。

 黒猫が目前を横切ると悪いことがある、といいますが、追い返した場合はどうなんでしょうか?
 そんなことを思いつつ、駅へ向かうのでした。

 ……おまけ
 その夜、自転車のライトの電球が切れました(苦笑)